127人が本棚に入れています
本棚に追加
それでも切り下げた斬撃は、踏み止まった市村の胸あたりを掠め布を弾けさせた
二人は再び距離をとる
市村は血が滲む傷に軽く触れると、刀を握り直しややまえのめり。
そして剣先はやや右に向けられている
天然理心流、平青眼
それは、沖田総司得意の構え
「…三段突きか」
「……。」
「ならば。」
斎藤も、足場を確かめ土方歳三の平突きの構え。
心臓は痛いくらいに鼓動し、時を細かく刻んでゆく
空気が、血が…凍る。
最初のコメントを投稿しよう!