狼竜交錯

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それでも切り下げた斬撃は、踏み止まった市村の胸あたりを掠め布を弾けさせた 二人は再び距離をとる 市村は血が滲む傷に軽く触れると、刀を握り直しややまえのめり。 そして剣先はやや右に向けられている 天然理心流、平青眼 それは、沖田総司得意の構え 「…三段突きか」 「……。」 「ならば。」 斎藤も、足場を確かめ土方歳三の平突きの構え。 心臓は痛いくらいに鼓動し、時を細かく刻んでゆく 空気が、血が…凍る。
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