大地と明菜

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入学式が終わり 新しい今日へ歩いている時も ホームルームの時間も俺の頭に有るのは アノ高山 雪実とゆう仔だけだった。 明菜は少しムッしているが 何にも言ってこないので 俺は無視していた。 学校が終わり家に帰る。 「ただいま!」 「おかえりー!」 うん妹だな。 とりあえず挨拶?はしたので 部屋へ入る。 ソコでもずっとアノ仔の事を考えていた。 食事中も食べる事を忘れて考えていた。 すると妹が 「お兄ちゃんどうしたの?」 と一言。 俺は何の気なしに答えた 「いやぁ今日スゴイ可愛い仔が入学して来て!」 妹は明らかに驚いた顔をしている。 俺は不思議に思い 「俺、なんか変な事言った?」 と聞くと妹は 頭をブンブン縦に振っている そしてこう言った 「お兄ちゃんが自分以外の人の容姿を褒めたの初めてだよ?」 …確かに、今までアノ仔の事で 頭がいっぱいで気付かなかったが 確かに俺が他人の事をカッコいいとか可愛いとか 思った事は今まで一度たりともなかった。 「お兄ちゃん、ソノ仔の事好きなの?」 …好き? 俺は生まれてこのかた人を好きになった事はない。 つまり好きではないと 勝手に解釈し 「いや、頭から離れないだけで好きではないよ!」 と言ってやった。 すると妹は クスッと笑いながら 「お兄ちゃん、ソレを好きって言うんだよ!もう…お兄ちゃんはホントに恋を知らないよねぇ。」 呆れた顔をしながら妹が言った。 「ソウか、コレが恋なのか。」 自分でも驚く程に素直に答えていた。 まあアノ仔の事で頭がいっぱいだったから なんだけどもね。
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