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「知り合いに聞いたんです。ここは依頼人の幸せを叶えるためなら、どんな依頼でも受けてくれるって」
「ええ。その通りです」
グロスの塗られた赤い唇が、光の加減で一瞬鈍く光って見えた。
「本当に、どんな依頼でも?」
「え、ええ」女の口調に、チーが戸惑うような声で答えた。
ここに来て初めて気付いたのか、戸惑いと不安を微かに交えた声で、チーが女に聞いた。
「あの・・・・ところで、今日はどんなご相談ですか?」
コーヒーのカップを、女がソーサーの上に置いた。
思いつめた顔で、女はチーをじっと見上げる。
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