しあわせ本舗に初出勤
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「分かりました」 女が自分のバックを引き寄せた。 財布を抜き、中から二枚の紙を取り出す。 大きさからみて、どちらも名刺のようだ。 「私は渚と言います。ただ、本名ではありません。仕事で使っている源氏名ですが、今はこっちの方が自分でも慣れているので」 渚が差し出した名刺を雄太も見た。 明朝の流れるような字体で「大月渚」と書かれている。
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