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おそらくは、金銭か男女関係のトラブルだろう。
無意識の内に、雄太はため息を吐きかけた。
不意に渚と目が合う。
「呆れているんでしょう?」
「いや、そんなこと」慌ててそれを飲む。
「良いんです」
雄太の言葉を遮り、渚は穏やともいえる笑みを浮かべた。
「分かっているんです。私だって、馬鹿だと思いますから。本当に、自分でも情けないと思います」
そう言うと、渚は自分の人生を振り返るように淡々と、伊集院聖也というホストとの顛末を語り始めた。
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