緑の髪の少年

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町にはメインストリートが中央に通っていて、そのメインストリートを挟むように、各々の家が建ち並んでいる。 メインストリートと呼ばれる道には100メートル間隔に井戸があり、この町に暮らす人々は皆、共同で井戸を使い、暮らしていた。 ミティは家に帰ると、洗濯物を持ってきて、井戸の水で洗濯をする。 ロアは家で食事を作る。 もう何年も二人は決められた役割を毎日こなしてきたのだ。 「あ……」 ミティは自分の服を洗濯してて、破れていた脇の下が、縫られていたことに気付いた。 ロアが裁縫で直してくれていたのだ。 「ロア…」 ミティはロアの存在に心から感謝した。 ミティは、産まれてすぐに森の中に捨てられた。 ミティの母親はエルフだった。母親はミティを産んですぐに息を引き取った。 「こいつだ!このハーフエルフのせいだ!!」 周りのエルフはミティの母親が死んだのを、まだ赤ん坊だったミティのせいだと、決め込んだ。 このハーフエルフは不幸を呼び込む…と… そうして、ミティは森の中に捨てられた。 それをロアの母親であるミリアが拾って育ててくれたのであった。
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