151人が本棚に入れています
本棚に追加
町にはメインストリートが中央に通っていて、そのメインストリートを挟むように、各々の家が建ち並んでいる。
メインストリートと呼ばれる道には100メートル間隔に井戸があり、この町に暮らす人々は皆、共同で井戸を使い、暮らしていた。
ミティは家に帰ると、洗濯物を持ってきて、井戸の水で洗濯をする。
ロアは家で食事を作る。
もう何年も二人は決められた役割を毎日こなしてきたのだ。
「あ……」
ミティは自分の服を洗濯してて、破れていた脇の下が、縫られていたことに気付いた。
ロアが裁縫で直してくれていたのだ。
「ロア…」
ミティはロアの存在に心から感謝した。
ミティは、産まれてすぐに森の中に捨てられた。
ミティの母親はエルフだった。母親はミティを産んですぐに息を引き取った。
「こいつだ!このハーフエルフのせいだ!!」
周りのエルフはミティの母親が死んだのを、まだ赤ん坊だったミティのせいだと、決め込んだ。
このハーフエルフは不幸を呼び込む…と…
そうして、ミティは森の中に捨てられた。
それをロアの母親であるミリアが拾って育ててくれたのであった。
最初のコメントを投稿しよう!