緑の髪の少年

17/18
前へ
/242ページ
次へ
「痛っ!!」 ザバァ~とお風呂のお湯が溢れた。 ミティは日課の素振りを終えると、お風呂に入った。 昼間、クラスの生徒達に殴られた痕がアザになっていて、お風呂に入ると身体中が染みる。 「はぁ~~」 なんとか全身をお風呂に入れると、タメ息をつく。 「こんなアザだらけの身体…ロアには見せれないや…」 呟くミティ。 ミティがなるべく顔を殴らせないのは、顔は傷ついたら隠せないが、身体なら隠せるからである。 ロアは心配性だ。ミティが傷ついたらすぐに白魔法を使って治してくれる… しかし白魔法にはメリットだけではなく、デメリットもあった。 メリットは、他人の傷を治せること… デメリットは、その為には己の魔力を消費してしまうこと… また自分の体力、傷は治せないことだ。 魔力=体力である。 成績優秀なロアは授業でもかなりの魔力を使っている。 学校の授業以外で無駄な魔力を消費させたくなかったのだ。 「早く…強く…ならなくちゃ…」 呟くミティ… 普通、学校には10年通う。 が、ロアは優秀な白魔導師ゆえに、普通の人間よりも3年も早く卒業過程の授業をほぼ終わらせてしまっていた。
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

151人が本棚に入れています
本棚に追加