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「ミティ~?おきなさーい。学校行く時間よ~」
綺麗な黒髪を後ろでまとめているのはロア…
口にくわえていた赤いリボンで、髪を縛る。
町の学校1の才女だ。
「……は…い…」
眠気眼で、ベッドから出るのは、緑の髪の少年…ミティ。
ミティは今年13才…
ロアと同い歳だったが、その身体はロアより一回り以上も小さかった。
ロアが大きいのではない。
ミティが小さすぎるのだ。
ミティは、木造の家から出ると、町の共同井戸で顔を洗い、歯を磨く。
歯を磨き終えると、またロアが待つ家に戻る。
「パン焼き上がっているよ、ハチミツつけて食べてね」
ロアが、マグカップに温めたミルクを注ぎながら、ニコッと笑う。
「うん…」
ミティは静かに頷くと、パンにハチミツをつけて、ミルクを片手に食べた。
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