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「そんなことが……」
ロアからの話を訊いたミティは、胸を痛くした…
愛されていたはずなのに…
裏切られたキリアの心の痛みを思うと、苦しくて仕方なかった。
きっと、心が……心臓が張り裂けるほど苦しかったのに違いない……
そう思うとミティは自然と涙が零れた…
「あらあら泣いてるの…?でも、本当はね…」
ミティの涙を人差し指で拭うとロアは笑う。
「町の大人達が、子供が川に近づかないようについた嘘なのよ。なんせ森には魔獣がいっぱいいるでしょ?魔獣は夜行性と言われてるけど、昼から森の中をさ迷ってる魔獣もいるかも知れない…なるべく森の中を入ってほしくない…と大人達がついた嘘なのよ」
ニコッと笑うロアの笑顔に、苦しかった胸はスーッと晴れていくミティだった。
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