ルサルカ

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翌日… 学校ではニックが胸を張って笑っていた。 「わはははは!行ってきたぜ!川に!やはり川にルサルカなんていなかった!」 笑うニックだが、誰もがニックを信じていなかった。 「なんだ!?お前ら!その目は!信じていないのかっ!?」 ニックは近くにいたクラスの男のコを掴むと、首を絞めるように引き寄せた。 「く、苦しい~」 首を絞められた男のコが顔を青くする。 「し、信じるよ~」 男のコが言うが興奮したニックは許さない。 「いいや!その目は信じてない目だ!!」 ニックは男のコから手を離すと、クラスの男子全員に言う。 「なら、今日俺様と一緒に川に行く奴はいないか!?誰かが見てれば俺様が川に行ったって信じるだろ!!」 ニックが叫ぶが、誰も行くとは言わない… みんな森の川に行くのが怖いのだ。 「この腰抜け共がっ!!」 とニックが叫んだ時だ…一人だけ…手を挙げた。 「おおっ!?誰だ?俺様と川に行く奴は……」 と顔を喜ばせたニックだが、手を挙げたのがミティだと分かると、顔を曇らせた。 「野良エルフかよ…他にはいないのか?」 しかし誰もニックと目を合わせようとしない… 「チッ…」 ニックは仕方ない…とミティを見た… 「行くぞ…」
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