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ドドドドドドド…
轟音が森に響いてきた…
「な、なに…?この音…」
ロアとニックが不安にキョロキョロと周りを見る。
「水が来る音だ!こっちに早く!」
少し坂になった上からミティが叫ぶ。
「早く!」
ニックとロアが急いで坂を登ろうとした時、洪水があっという間にやってきた。
ニックは一足早く坂に登れたが、ロアが遅れた。凄いスピードで流れてきた洪水にロアの身体がのまれた。
「ロア!?」
ニックが声を荒げる。
ガツッ!!
ロアが川に流される前にミティがロアの腕を掴んだ。
「よくやった!」
ニックがミティと一緒に、ロアを引き上げた時…
「ヒッ!?」
ニックが腰を抜かして、ロアの腕を放した。
引き上げたロアの腰から下をおぞましい顔をした女のような化け物がしがみついていたのだ。
「きゃああああああああ!!」
ロアも悲鳴をあげる。
腰から下を、川に引きずり込むように化け物が引っ張っているのだ。
「あわわわわわ…」
腰を抜かしながら、後ろにズリズリと下がっていくニック。
ミティは必死に流されそうなロアの腕をつかんでいた。
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