緑の髪の少年

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カラン、カラン、カラン~ 学校の使い人が、バレーボールほどある大きな鈴を持って廊下を歩いている。 授業開始の合図だ。 「それでは、今日はこの前やったテストを返すぞ」 僧侶だけが着ることを許される緑の法衣を纏った先生が、生徒達にテストを返していた。 「今回もミティがトップだ…一人満点だぞ…みんな見習うように!」 先生がミティにテストを返しながら褒めるが、誰も返事をする生徒はいない。 「よし、では授業を始める!今日は我が国ラングランの歴史だ」 みんな机の中から教科書を出す… ミティも出して、教科書のページをめくるが… 『バーカ』 『気持ち悪いんだよ!チビ』 『もう一度低学年からやり直してこいよ』 と、今日授業で習うはずのページをイタズラ描きで、黒く塗り潰されていた。 しかし、ミティは何も言わず、黙って、イタズラ描きで、ほとんど字が読めない教科書を開いて授業に集中する。 ミティにとって、こんなこと日常茶飯事だったのだ。 ミティは虐められていたのだ。
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