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「ミティ…」
声を詰まらすロア…
「ルサルカ……いやキリア……頼む……俺が一緒に死んでやる…だからロアとニックを助けてやってくれ…」
《……なんで?》
ルサルカは腐った紫色の顔でミティを見た。
「キリア…君は一緒に死んで欲しかったんじゃない…自分を犠牲にしてでも貴族の男を助けるつもりでいた…だってそれが愛だから……」
《…………》
「けど男は、我が身可愛さにキリアの想いを裏切ってしまった…けど…その後の男の人生を知ってる?」
《………》
「愛する女(ひと)を裏切ってしまった…そのことが彼を一生後悔させた……そして彼は君…キリアがいない世界を見限った……」
《!!》
「君がいない世界で生きてることが何の意味がないことに気付いてしまったんだ…君を亡くして5年後…彼は自らの命をたった……」
《そ、そんな…バカな…嘘よ…でっち上げよ!あの男がそんなことを……》
「本当だよ!俺、君の話を訊いて、いても立ってもいられなくて……町の図書館に行って調べたんだ……大人達の嘘だ……て言われていたけど、350年前の文献に『キリアの悲恋…』と言う題名でちゃんと残っていたんだ!」
叫ぶミティ…
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