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「それを教えたくて!」
《!?》
「それを教えたくて来たんだ!…友達が調子に乗って川の生き物を粗末にしたことは謝る……俺の命だけで君が満足するなら、俺は君と一緒にこの川に沈むよ……だからロアとニックだけは助けてやってくれ!」
「ミティ!!」
ロアが泣きながら首を振る。
「嫌だ!だったら私も死ぬ!一緒に死ぬ!」
《……………》
ルサルカは何も言わなかったが、ロアとミティを見る眼は穏やかになっていた…
「!?」
急に川の流れが緩やかになった…
気づくと、ロアの腰にしがみついていた女の化け物の姿も無くなっていた…
「キリア!!」
ミティがルサルカを見ると、ルサルカの腐った顔は、綺麗な女性の顔に変わった。
《ありがとう…やっと…あの男(ひと)の天国(ばしょ)にいける…教えてくれてありがとう…緑の勇者…さん…》
スーッと消えて行ったルサルカ…
「消えた……」
ロアが呟く…
「助けて…くれた…?のか…」
ミティはロアを川から引き上げると、ヘタヘタ~と腰を地面に落とした…
そして……急に来た眠気に二人……その場に倒れて行った…
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