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「キリア……良かったね…良かった…」
グスッと鼻を鳴らすミティと…
「本当に良かった…もう二度とあんな怖い想いしたくないからな……」
ハハハ…と苦笑いのニックだった。
ミティが家に帰ると、ロアが食事を作っていた。
「ロア……今日ね……変な夢を見たんだけど…」
「変な夢?」
ロアは、何にも知らない顔で首を横に傾けた。
「うん…ロアも見なかったかな?変な夢……」
ミティの言葉に興味津々のロア。
食事を作るのを中断させると、ミティの隣に座って話を聞かせて…と微笑んだ。
(あれ?やっぱり…あれは夢だったのかな……)
ミティはガッカリしながらも、ロアにルサルカとの話を聞かせてやる。
「………へ~!ミティたら、そんなカッコイイ夢みたの?けど夢とは言え、自分を美化しすぎ~」
と笑うロア…
言われてみると…
ミティの小さい身体で、激しい流れの川に飲み込まれそうになったロアを支えきれる訳がない……
やっぱりあれは夢だったんだ…
とミティがタメ息をついた時だった…
「!?」
リンゴの皮をナイフで剥くロアの右腕にクッキリと手の痕が残っていた。
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