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そう……ミティの手の痕だ。
「離すもんかっ!!」
と、必死にロアの腕をつかんでいた時の……
「そ、その手の痕は……」
ミティがロアの右腕を見ながら指差す。
「ああ…これ?なんか知らないけど、いつの間にかアザになってたのよね~なんだろね?コレ……」
ロアはクスッと笑うと、剥いたリンゴをミティに差し出してきた。
「はい!緑の勇者さん!」
「!?」
ミティはロアの言葉に驚く…
最後に……ルサルカのキリアがミティに言った言葉と同じことをロアは言ったのだ。
「ロア!やっぱり…ロアも…」
夢を見たんだね?
と言いたいミティ…
しかしロアは笑って食事を作るために再びキッチンに立つ。
「夢なんか見てないわよ…」
と言うロアにガッカリするミティ…
「そうか……」
ミティはタメ息をつくと、日課の洗濯をしに、井戸に向かった。
一人…キッチンで料理をするロアは、口元をニコッと緩ませると呟いた。
「夢なんか見てないよ…だってあれは……現実だったもの…」
「ロアは俺の世界なんだ!!俺の全てなんだ!!」
ミティの言葉を何度も頭の中で繰り返し思い出して、笑うロアだった………
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