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「こんな所にいた~」
お昼休み……校庭の大きな木の下で昼寝をしているミティの前にロアがお弁当を持ってきた。
「ロア……」
ミティは身体を起こす。
「なによ!?その顔!?目の下真っ青じゃない!」
ロアがミティの目の下の傷に手を伸ばす。
『剣術』の授業でニックの剣先がミティの左目に当たってしまったのだ。
実戦だったら片目を失っていたことになる。
「また負けた…の?」
ロアが心配そうな顔でミティの目の下を触る。
「ツッ!!……うん…」
「あ、痛かった?ごめんね…今治してあげるからね…」
ロアは右手をミティの左目の下に優しく置くと、ブツブツと呪文の言葉を唱える。
ロアの右手から暖かい黄色の光があがってきた。
「シルフ…(回復せよ)」
ピンクの唇が動くと、ロアの右手から光がミティの左目を覆うように放たれた。
左目の傷は、すぐに回復していく…
優しい光に包まれたミティの左目はものの2分ほどで完全に治ってしまう。
「うん!これでよし!」
微笑むと、ミティの隣に座って、持ってきたお弁当を差し出す。
「ありがと…」
受けとるミティだが、またこれもミティが虐められている原因だとは、ロアは思ってもいなかった。
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