151人が本棚に入れています
本棚に追加
「生意気なんだよ…ミティのくせに…」
ドンッ!と床に倒されるミティ。
相手はクラスで一番身体の大きいニック…
ニックの父は木こりで、腕の太さは丸太のようだった。
ニックもその父親の遺伝を受けていて、ものの見事な力瘤を見せつけていた。
「ロアと一緒に弁当食ってやがったな……」
ニックは、憎そうにミティを睨む。
そう……ニックは学校1の美少女であり、優等生のロアに恋焦がれていたのだ。
しかし、何度告白しても、ロアはニックを受け入れてくれなかった…
なのに、身体の小さい、落ちこぼれミティには優しいロア…
それが許せなかったのだ。
「ロアがお前のこと好きなんだくらい思ってるだろ…?」
ニックの言葉に首を振るミティ。
しかしニックは許さない。
ミティの顔を大きな右手でギュウ~と掴む。
「い、痛い…よ…」
アイアンクローの体勢で、そのままミティの身体を宙に浮かすニック。
バタバタ!と浮いた足を振るミティ…
「この汚い野良エルフが!お前なんかな、ロアに拾われてなければ、森の中で魔獣に喰われて死んでいたんだ!いいか?勘違いしてロアに近づくなよ……魔獣に代わって俺様が殺してやるからな…」
ニックは笑うと、やっとミティの顔から手を放した。
ドサッと床に腰を落として、イタタタタと腰をさすったミティだった。
最初のコメントを投稿しよう!