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「居間、とは…廊下の突き当たりだろうか?」
「とりあえず進むしかあるまい」
「そうだね」
奈落達の勘は当たり、突き当たりのドアを開けると居間に辿り着いた。
「おぉ!さ、こっちへ座るとええ」
手招きをする老人に言われるままに二人が席につくと、柔らかい笑顔の女性がお皿を持ってやってきた。
「あらあら、はじめまして」
「…………」
「はじめまして」
奈落は会釈をし、蔭刀も笑顔でお辞儀をした。
「お口にあうかわからないけどどうぞ」
「なんだ?これは…」
奈落は目の前にある食べ物に首を傾げた。
黄色い何やら薄っぺらいものが何かにかかっているのかドーム状になったものに赤い何かがかかっている。
「あら?オムライスは初めて?」
「「おむ…?」」
二人同時に首をひねる様子を見て老人と女性は笑った。
「まぁ食べてみるとよい」
「い、いただこう…」
「いただきます…」
恐る恐るオムライスを口にする二人。
「ん…」
「あ、おいしい…」
「うまい…」
「初めてだねこの味…」
「あぁ」
「一つ聞いていいかの?」
「なんだ?」
「お主達は向こうの時代の者か?」
「!!」
「老人、何故それを…」
「はっはっは!なんじゃお主ら、てっきりかごめの知り合いかと思うたが違うのか?」
老人の次に発した言葉に奈落と蔭刀は驚愕した。
「わしはかごめの祖父で」
「私はかごめの母です」
笑顔でそう言う二人に奈落と蔭刀はこの先どうしたらいいのか半ば本気で悩むのだった…。
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