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「ただいま~」
かごめは玄関から直行でリビングへと向かった。
「文化祭だなんてあーもう最悪!しかも明日!うぅー…」
なんと、かごめの学校は明日文化祭らしく、かごめは今日文化祭のための準備で疲労困憊だった。
そんなかごめの上に更に疲れが乗ることになるのはかごめがリビングのドアを開けてからだった。
「ママー?今日のご飯何?」
「あぁ、おかえりなさいかごめ。夕食ははんばーぐという物らしいぞ」
「あ、そう?ただいま…って、え!?な、奈落!?アンタ何やってんの!?」
「わしはこっちだ」
「へ!?」
目の前でエプロン姿に笑みを浮かべる者を奈落だと思ったかごめは、背後からの声に驚いた。
振り替えるとそこには確かに奈落が座っていた。
「その者は蔭刀だ。わしではない」
「あ、えーと…」
「人見蔭刀といいます。よろしくお願いしますね」
ふんわりと微笑み手を差し出す蔭刀にかごめはわたわたしながらも手を取った。
「日暮かごめです!ところで蔭刀さん」
「はい?」
「どうしてエプロン着けてるんですか?」
「えぷろん?あぁこれですか、これは」
「お手伝いしてくれてるのよー」
「ママ!?」
蔭刀の肩に手を乗せて微笑むかごめママンにかごめは目を見開いた。
「蔭刀さんねぇ、覚えるのとっても早くてママ助かっちゃって」
語尾にハートマークが見える口調にかごめはくるりと向きを変えると奈落に言った。
「ちょっと奈落!アンタなんでうちに居据わってるのよ!!」
すると奈落はふっといつもの憎たらしい笑みを浮かべさらっと言ってのけた。
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