文化祭大パニック!!

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「なんだここは…」 奈落はひとまず井戸から出ることにし、外に出た途端目を疑った。 「ここは…どこだ?」 周りを見渡すが見慣れない景色が広がっているだけだった。 「蔭刀も無事だったからいいものの…もしやここがかごめの言っていた現世とやらか?」 「おや?見慣れん奴じゃな」 「!」 (迂濶だった…このわしがたかが老人の気配に気付かんとは…) 「何だ老人」 「お前さん何処から来た?」 「そんなことどうだってよかろう」 「そうもいかんて…ん?お前の抱えておるその者大丈夫か?」 「!蔭刀…」 「やむを得ん、うちに来なさい」 「…………」 完全に警戒を解いた訳ではないが、蔭刀の具合を優先し、奈落は老人の後について行った。 「このまましばらく寝かせておくとよいと思うぞ」 「……礼を言う…」 「はっはっは!構わんてそれじゃあの」 そう言って老人は襖を閉めて出ていった。 奈落は蔭刀の目にかかっている前髪をそっと退けてやり、頬に手を添えた。 「無理なことをして…わしの体は傷付こうがすぐに治る…それなのに…」 先ほど鉄砕牙が掠めた足も既に治りかかっていた。 「蔭刀……だいぶ落ち着いたか…」 蔭刀の荒かった呼吸もだいぶ落ち着き、未だ顔色はさほどよくないものの眠っている。 奈落はそのまま蔭刀の頬や頭を優しく撫でた。 「蔭刀…お前はわしの……」 “なにか特別な理由でもあるのかしら…” “んな訳あるか!アイツはどうせ道具を壊されたくなかっただけだろうよ” 「わしの…道具などではない…」 奈落は蔭刀の枕元から離れることをせず、ただただ優しく撫で続けた。
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