文化祭大パニック!!

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「犬夜叉早く!!」 「わかってらぁ!」 かごめと犬夜叉は急いで家に入る。 「こりゃかごめ、廊下は静かに歩かんか」 「あ!じぃちゃん!見知らぬ人がうちに来なかった!?」 「見知らぬ人?」 「こう、髪はウェーブで目が紅くていかにも何か悪!って感じの…」 「なんじゃい、あの人のことかい」 「え!?やっぱりいるの!?」 「おるが…いかにも悪、ではないみたいじゃったぞ…?」 「とにかくどこにいるのよ!?」 「奥の部屋での、連れを休ませておるよ」 「わかった!ありがとうじぃちゃん!」 かごめ達は再び急いで奥の部屋に向かう。 「いかにも悪、ではないみたいって…」 「んな訳あるか!アイツは根っからの悪だぜ」 そんな会話をしている間に部屋の前にたどり着いた。 「いい…?開けるわよ…?」 「おう…」 緊張した面持ちで襖に手をかけるかごめに犬夜叉も頷く。 「ならっ…く?」 襖を開いたかごめは見たものに驚いた。というか呆気にとられた。 「おい、どうしたかごめ」 「犬夜叉…あれ、奈落?」 「あぁ?って…え…」 かごめが指差す先にいたのは布団で眠る蔭刀に寄り添って寝ている奈落だった。 「ひ、人違いじゃ…ねぇよな?」 流石に犬夜叉も驚いた。 まさかこれまで戦ってきた宿敵、しかもラスボス的な人物のここまで無防備な寝顔を拝めるとは思っていなかったのだ。 …というか、誰も思わないだろう。 「ね、ねぇ犬夜叉…」 「あ、え?」 「どうしたらいいと思う…?」 「お、俺にもわからねぇ…」 「ていうか犬夜叉…!」 「何だよ…!」 「奈落って…美人なのね」 「はぁ!?」 思わぬ事態に思わぬ発言を聞いてしまった犬夜叉はどっと疲れがのしかかるのを感じた。 「も…俺ぁ知らねぇ…寝る!」 「あ、ちょっと犬夜叉!」 ふらつく足取りで部屋を後にする犬夜叉の後にかごめも続いた。 「ねぇ犬夜叉、ほっといていいの?」 「けっ、寝込みを襲うなんざ俺の性にあわねぇよ!」 犬夜叉はそう言うとかごめの部屋のベッドに倒れこみそのまま寝てしまった。 かごめがため息をついたことは言うまでもない。
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