海をみていた午後

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『会社辞めて…大阪の実家帰って生むつもりでした…でも親にも言いそびれて…今日急にお腹痛くなって、病院一人で行ってさっき帰ってきました そしたら急に不安になって…怖くて怖くてどうしようもなかった まるで中途半端な私を赤ちゃんが責めてるみたいに感じました…そしたら自然に小池さんに電話してた』 『もう大丈夫や…なんの心配もいらん。これからは何があってもリサちゃんとお腹の子供守るから』 私達は抱き合って泣いた 小池さんの匂いが心地よかった 私はそのままぐったりしてしまい、朝まで眠ったようだ 目覚めるとそこには小池さんがいた 『リサちゃん、朝ごはん作ったから食べよ』 テーブルにはスクランブルエッグとサラダ、トースト、コーヒーが向かい合わせに並んでいた 『小池さん、料理もできるのね』 『まあこんくらいはね。なあリサちゃん、このゴールデンウイークの間、お互いの親に結婚報告しないか?』 『もう?』 『遅いくらいや。そんなにお腹も目立ってるんやから…どっちみち俺明日帰るから一緒に帰郷しよう。今日は一応親には電話しとくんやで?妊娠の事』 『わかった…』 『会社は辞めてもどちらでもいいよ、俺もうすぐ東京の本社勤務になるから、こっち住みや』 『そうなの?』 『うん、だからリサちゃんの好きにしたらええわ』 その日私は両親に、妊娠の話しと結婚の話しをして大いに驚かす事となる
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