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(また井上居らんな…。どこ行ったんやろ。…ま、俺が先に挨拶行っとけばええか)
周りをきょろきょろと見回した石田は、ふぅ、とひとつ息をついてドアノブをまわした。
「マツコさんしつれーしま…、」
ドアを開ければそこには──マツコデラックスとそのひとの膝の上にちょこんと座らされている井上がいた。
(……またか)
石田は頭に何かぴりりとしたものを感じた。
「あらぁ、石田くん。井上くん借りてるわよ」
ふふ、と笑ったマツコデラックスは明らかに勝ち誇った顔をしている。
つかつかと歩み寄り、井上の手をつかみ引き寄せた。
「っ、…いしだ?」
「マツコさん、すいませんけどコイツ返してもらいますわ」
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