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「唯、ちょっとタオルとってきてくれ。」
「はぁーい。」
あのあとオレは桜さんといっしょに我が家に子犬を連れて戻ってきた。今は春先、しかし雨の日はさすがに冷えるし子犬も雨に濡れてしまっているので暖房をつけ暖まっている。
そして桜さんはというと……。
「桜さん、この子が心配なのもわかるけど桜さんも雨で濡れちゃってるんだからオレがこの子だっこしてるからタオルでふいてきな。」
「…………やだ…。」
桜さん家についてからずっと子犬をだっこしている。
いくら傘さしててもけっこう濡れちゃってるのに。
「お兄ちゃん、タオル持ってきたよ。」
「ああ、ありがと。」
さすがは唯だ、ちゃんと子犬の分だけじゃなくオレたちのも持ってきてくれた。
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