繭のライバル?

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「チョコ食べよっと」 パンの袋を開けて半分に割った 中にはチョコクリームがたっぷり 「雪魅、チョコ大好き~!……あっ」 『大丈夫?ちゃんと座って食べないと』 「あっ、どうしよう……繭のぬいぐるみにチョコが」 『あらら……』 わざとやったんだけどね あ~スッキリした 「どうしよう、早く拭かないと」 ハンカチで拭くふりをしてチョコを更になすりつけた 「取れない……雪魅どうしたら」 『さて、次は体育だから俺は先に行くよ』 「うん、またね」 『またな~』 翔が居なくなったのを見届けて、足でぬいぐるみを踏みにじった 「ざまぁみろ」 「雪魅、お待たせ……翔は?」 「先に戻ったみたい」 「蒸しパン……」 「あっ、どうして」 「ごめんなさい……雪魅が転んで……ごめんなさい」 「………………」 「繭、俺が綺麗に洗ってあげるから」 「………………」 「ねっ、貸して」 「てか、もう捨てちゃえば~?」 「燕羽」 「繭、どうしたの?」 「蒸しパン……ごめんなさい」 「大丈夫だから」 「僕がちゃんと持っていれば」 「じゃ、今日お風呂に蒸しパンも入れてあげよう」 「うん」 なんかムカつく…… 「ちょっと、なんか雪魅が悪いみたいに無視しないでよ」 「違うよ、雪魅はわざと汚したんじゃないから怒らないんだよ?」 「………………」 「繭は雪魅がわざとやったような顔してる」 「燕羽」 「ん?」 「ごちそうさま」 「うん」 「次は美術だから」 「わかった、また放課後ね」 「うん」 「じゃ、雪魅も戻るね」 「わかった」 繭は汚れた蒸しパンを持って教室に戻って行った 「足跡ぐらいわからないようにしたらどうですか?」 「ばれてたの?」 「でも、貴方のやった事は燕羽を悲しませる事だから僕は何も言わなかっただけです」 「はいはい、だったら捨てたら?」 汚いぬいぐるみを掴もうとした手首を強く握られた 「触るな」 「い、痛いっ!」 「燕羽の従兄弟じゃなかったらこのまま投げ飛ばしてるところです」 「離して!」 何なんだ…… 大人しい顔してめちゃくちゃ力が強かった 赤くなった手首をさすりながら繭を睨みつけ、教室に戻った
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