繭のライバル?

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「そろそろ仕事を始めたいんだが」 「あ、あはっ」 「…………やれやれだね、蒸しパン」 実はさっきからずっと生徒会室に居たのに全く気付いてもらえなかった俺達 『居たんだ』 「みたいですね」 「ったく……イチャイチャしたいなら家に帰ってからにしろ」 「冬矢」 「何だよ」 「もしかして……」 「ん?」 『欲求不満?』 「………お前達」 「どうやら正解のようです」 『だね』 「帰るぞ」 「怒らないで下さいね」 と、冬矢が欲求不満…… ま、マジですかっ? ああ、でも繭の教育上冬矢とイチャイチャは出来ない 「燕羽」 「な、何かな?繭」 「顔……赤い」 「あ、あ、暑いね」 「少し寒いけど」 「ですね、まだ部屋が暖まっていません」 くっ……会長まで 「もういいからさっさと始めるぞ」 「わかりました…では冬矢はこの資料に目を通して下さい」 「演劇部か」 「はい」 「わかった」 いやん 冬矢の真剣な目が堪らない 「繭はこれを」 「うん」 また難しそうな数字がたくさん入った資料だな 「燕羽と翔はこの資料を5枚一組にしてホチキスで」 何だか俺達の仕事って…… 「わかりました」 『また~?』 もしもし…… また?って、全部俺にやらせてるような 「んじゃ俺がまとめるから翔はホチキスお願い」 『わかった』 この作業、油断すると紙で指を切ってしまうから気をつけないとね 「いっ……た」 『お約束だな』 「はぁ」 早速指を切る俺は一体…… 地味に痛む指をくわえながら絆創膏を探した 「燕羽」 「繭、ありがとう」 「痛い?」 「大丈夫」 繭の目はどうやら後ろにもついているらしい パソコン入力しながらでも気づくなんて 「はい」 「ありがとう」 繭に絆創膏を貼ってもらった 『繭をかなり手なずけたな』 「そんな言い方しないの」 『しかし、あの繭がここまでお前になつくとはね』 「んふっ」 『むぅ』 「?」 あれ…… 俺何かしたかな? 「翔は繭に燕羽を取られたから拗ねてるだけだよ」 「ん?」 『べ、別に拗ねてないしっ!』 だよね 翔が拗ねるなんて 「ん?」 『あやとり』 「はい?」 『ほら、燕羽の番』 「あの……」 『早く』 「わかった」 てか、いきなりあやとりとか…… 仕事無視ですか 会長の目は「やれ!」と無言で…… 怖すぎるから仕方なく翔とあやとりをした
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