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『にひっ』
「ああっ！また」
『燕羽がくずした～』
「くっ……」
おかしい
なんでいつもここで？
「燕羽」
「繭もやりたいの？」
「それは必ず取れないようになってる」
「えっ？」
『ちょっ、繭～』
「でもね……こうすると」
あっ、崩れてない
「すごいね」
「はい、翔」
『…………わかったわかった、俺の負けだ』
「ん？」
謎……まだ何もしてないのに
「燕羽、取る？」
「うん」
これなら……
「ああっ！」
『やっぱり』
「翔、ズルしないでちゃんとやらないとダメ」
いや、あやとりより仕事をちゃんとやろうよ……
てか、繭に怒られるとか
『はいはい』
「もしかして……ずっと」
『お前気付かないし』
「なっ！」
『普通は2､3回目で気付くのに』
「もう……」
確かに何となくおかしいとは思ったけど
「燕羽はそういう奴だから繭もなついてるんだろ？」
『だね』
「ん？」
なんの話かな……
そういう奴って、もしかしておばかさんって事？
『ホント、お前は人を疑わないよな』
「疑わないと言うか……翔だし」
『燕羽……ま、まぁな』
「疑うくらいなら信じたいし」
『だけど、信じて傷付くのはお前だよ？』
「その時は自分が甘かったからって事で」
『お前さ……みんながみんないい奴とは限らないぞ……お前だって痛い目にあっただろ？』
「……でも」
『はぁ……まぁいいや……だけど何かあったら必ず言えよ』
「わかった」
『絶対だかんな？』
「うん」
そんな翔の気持ちが嬉しかった
本当は優しい事がわかっているから今みたいに騙されてもムカつかないんだ
『燕羽、ジェンガやろう』
「あの……まだ仕事が」
『大丈夫だよ』
「でも」
「燕羽は翔の相手をしてあげて下さいね」
くっ……俺の生徒会での仕事は翔の遊び相手？
『ほらな』
「じゃ、一回だけ」
『俺からな』
「うん」
会長はああ言ったけど、やっぱり仕事はちゃんとしないとね
早く終わらせて仕事をしよう
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