繭のライバル?

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あっ、今日は久しぶりに楓さんが居る 「おはよう、楓さん」 「燕羽、おはよう」 「最近忙しいみたいだけど大丈夫?」 「うん、ありがとう」 「それと、この間のライヴ楽しかった」 「体調でも悪くなったのかと思って心配してたんだよ」 「ちょっと会場の熱気に」 「ならいいけど」 「アンコールまで居られなくてごめんなさい」 「いいよ」 よかった ずっと気になってたんだよね 「燕羽」 「繭、どうしたの?もうすぐ授業が」 「蒸しパンから内臓が」 「えっ……」 「あははっ、内臓とか…繭君笑える」 「………まだ廃棄されていなかったとは」 「ねっ」 楓さん…… 喜んでる場合ではないような 「燕羽」 「あっ、貸して」 蒸しパンから内臓とか…… 「多分、昨日洗った時に穴があいたみたい……すぐ直るから待ってて」 「うん」 確かソーイングセットがカバンにあったはず カバンからソーイングセットを取り出して蒸しパンの穴をふさいだ 「はい、出来た」 「ありがとう……蒸しパン、よかったね」 「燕羽」 「楓さんも内臓が?」 「まさか……ほら、これ」 「ボタンが」 「さっき気付いた」 「下手くそですけど」 「大丈夫」 「じゃ、そのままで」 「ありがとう」 取れかかった袖のボタンをしっかり縫い付けた 「出来ました」 「燕羽は優しいね」 「やだな……褒めても何も出ませんよ」 「クスッ」 「燕羽」 「繭、どうしたの?」 「手を洗わないと」 「えっ……」 そんな真面目な顔で見つめられても…… 「早く」 「えっと……」 「汚染されてしまう」 「あははっ、俺に汚染されたら大変だね」 楓さん…… 繭に手を引っ張られたので仕方なく立ち上がると 「燕羽、来たの」 雪魅まで現れた
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