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5時限目は体育だけど、風邪気味で少し熱があったので見学する事にした
「燕羽、保健室で寝ていろ」
「でも」
「大丈夫ですよ、ゆっくり休んでいて下さい」
「わかりました」
会長の言葉には逆らえないから仕方なく保健室に向かった
「そうだ」
雪魅は大丈夫かな?
ちょっとだけ覗きに行こう
1年の教室に向かい、そっと中を覗いた
あれ……
そっか、確か1年は健康診断だから体育館か
じゃ雪魅もいないね
「う~ん」
そんな事を考えながら保健室に向かい、久しぶりに紅月先生と話をして過ごした
「眠っ」
体育に燕羽がいないなら俺もサボりでいいね
いつもの屋上の昼寝スペースで寝転がりながら腕で目を隠した
太陽の陽射しは今の俺には辛い
寝不足のまま学園に来たから仕方ないけど
そのまま目を閉じて小鳥の囀りを聞いていた
「ムカつくの」
ん?
この声は……
「雪魅ちゃん、どうしたの?」
「繭にムカつくの!昨日は楓にムカついたの」
「楓さんと会ったの?」
「昨日撮影で会ったの」
「うらやましいな……俺なんか同じ学園に居ても会った事すらない」
「同じ学園?」
「うん、確か3年だよ」
「3年……」
「ほら、会長と同じクラス」
「わからないの」
「ん~、後は冬矢さんとか……ああ、燕羽さんもかな」
「えっ?」
「そう言えば雪魅ちゃんは燕羽さんの従兄弟だよね」
「うん……」
「じゃ、そのうち会えるかもね」
「別にどうでもいいの!それよりも繭を泣かすの」
「繭かぁ……あいつめちゃくちゃ強いしな」
「大丈夫、雪魅にいい考えがあるの」
「いい考え?」
「クスッ……これ」
「それって……」
「さっき健康診断で着替えてる時にね」
「ヤバいって、マジであいつを怒らせない方がいいよ」
「だから人質ならぬ蒸しパン質」
「殺されるぞ」
「ぬいぐるみにナイフを突き付ければ何でも言うこと聞くの」
「まぁ……な」
「だから繭で遊んで泣かせるの」
「う~ん」
「やるよね?」
「でもなぁ」
「雪魅と繭を泣かせてくれたら……キスしてあげるの」
「ま、マジ?やるよ」
「ふふっ……じゃ、ここに呼んで来て」
「わかった」
聞かなきゃよかった
溜息をつきながら空を見つめた
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