繭のライバル?

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繭君を泣かせるか…… 確かに蒸しパンの為なら何でも言うことを聞きそうだけど、まさかね でも俺の正体がバレてしまったのは嫌だな せっかく昼寝しようと思ったのに邪魔されたから今の俺は機嫌が悪いよ? しばらく目を閉じて耳を澄ませていたら誰かがやって来た 「返して下さい」 「いやなの」 「日本語が通じませんか?貴方のした事は窃盗です」 「うるさいの!まず土下座して雪魅に謝るの」 「何故ですか」 「嫌ならこれをナイフで……」 「やめてください!」 「クスッ、どうしてそんなに必死なの?燕羽にもらったから?」 「大切な物だからです」 「気にいらないの……燕羽は雪魅のものなの」 「燕羽は貴方の物ではない」 「じゃ、誰のもの?」 「燕羽は物ではない」 「もううるさいの!早く土下座するの」 「………………」 「したくないなら……まずは目をナイフで」 「やめてください!……わかりました」 「あははっ、さっさとするの」 まさか……ホントにぬいぐるみの為に? あの繭君がまさか…… 黙って見ていたら本当に大福に土下座をした 「……ごめんなさい」 「聞こえないの」 「ごめんなさい」 「笑えるの、ざまあみろなの」 「ぐっ……」 あの野郎…… 足で繭君の頭を踏み付けやがった 「お前はこれから雪魅の命令には従うの」 「…………返して」 「嫌なの」 「約束が違います」 「土下座したら返すなんて言った覚えはないの」 「………卑怯者」 「ムカついたの!もっとひどいめにあわせるの」 頭を踏み付けたまま笑う大福を見ながらかなり悩んだ 大福は燕羽の従兄弟 もし怪我をしたら燕羽が悲しむかも知れない でも…… こんなに悩むなんて初めての事だった 俺はどうすればいい?
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