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「水分って何を飲ませればいいんだろ」
冷蔵庫を開けて全てのペットボトルをテーブルに並べながら考える
「起きたら燕羽に尋ねよう」
冷たいままではよくないような気がしたのでそのままペットボトルを並べておいた
「後は……乾燥させないように」
この家には加湿器が無いので会社に電話をして3台持って来てもらった
「これで大丈夫」
タオルを取り替えてまた燕羽の手を握りしめた
「早くよくなって……僕、燕羽に優しくされてすごく嬉しかったんだよ……本当に嬉しかったんだ」
「燕羽、大丈夫……繭?」
これ、繭がやったのか?
紅月から聞いて急いで帰って来たら加湿器と病院の薬……
繭が一人で?
驚いたな……
人の為に何かをやるなんて初めての事だ
手を握りしめたまま眠る繭を見つめて苦笑した
「お前じゃなかったら無理矢理ほどくけどな」
繭を抱き上げて自分の部屋のベットに寝かせた
「お疲れ、繭」
そっと頭を撫でて部屋を出た
冷凍庫から氷を取り出そうとした形跡が……
「アラスカの氷を使うなんてさすがだな」
いつか水割りに入れようとしていた貴重な氷が、ボールの中で小さなかけらになって浮いていた
「こっちはペットボトルのオンパレードか」
テーブルの上に並んだペットボトルの中からスポーツドリンクを持って燕羽の部屋に向かった
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