繭のライバル?

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「いい弟を持ったな」 しかし、朝から熱があったのなら言えばいいのに……燕羽らしいと言うか 「んっ……水…」 「ほら、飲めるか」 「冬矢……」 「体を起こすぞ」 「ありがとう」 ペットボトルのキャップを開けて燕羽に渡した 「冬矢が看病を?」 「いや、繭だ」 「繭が……?」 「やっぱり驚くよな……タオルで頭を冷やして医者を呼んで加湿器まで」 「……繭は?」 「手を握りしめたまま寝てたからベットに」 「そか……」 「翔や俺達よりも好かれてるみたいだな」 「………………」 「どうした?」 「うん……」 燕羽は嘘や隠し事をしないと約束していたので、暗い顔で繭の話をした 「だから無理矢理愛情を押し付けてるのかなって」 「繭は白黒ハッキリした奴だから迷惑ならちゃんと言うはずだ……それに繭が看病するなんて正直驚いたしな」 「うん」 「お前は好かれてるし頼られてるんだよ」 「そうかな」 「繭が嘘をついたのはお前を心配させたくないからだ」 「でも」 「とにかく今は風邪を治せ」 「うん」 「これで繭の事を嫌いにならないでやって欲しい」 「嫌いになんかならないよ……」 「そうか、よかった」 どうやら何かありそうだな 繭が隠すような何かが…… その何かが燕羽に関係しているのなら、原因は一つしかない 明日ちょっと調べてみよう
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