繭のライバル?

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次の日、燕羽と繭は学園を休んだ 朝、繭の顔を見て初めて怪我をしている事に気付くなんて保護者失格だな 「はぁ……」 「あれ?燕羽は休み?」 「ああ、風邪だ」 「なんだ、じゃ帰ろうかな」 「楓、いい加減諦めろ」 「別に奪うとかは考えてないよ」 「どうだか」 「だから繭君も来ないんだ」 「いや、繭も休みだ」 「やっぱり怪我が……」 まさかの楓の発言を聞き逃さなかった 「おい」 「ん?」 「話せ」 「何を?」 「お前のポーカーフェースには騙されない」 「だから何が知りたいの?」 「繭の怪我だ」 「ああ……」 「誰がやったんだ」 「ちょっと考えればわかるんじゃない?」 「……まさか」 「さて、保健室で寝て来ようかな」 「ちょっと待て、まだ……ったく」 うまく逃げられたけど大体わかった 確かに繭を煙たがる奴は一人しかいない だからと言って本人に尋ねたところでうまくごまかされてしまうだろう 「悩む顔もそそられますね」 「兄に言う言葉かよ」 「燕羽は年下にモテますね」 「楽しむなよ」 「クスッ」 「やっぱり……」 「彼ならさっき翔と歩いていました」 「翔と?」 「まぁ、翔は簡単に騙されたりしませんけど」 「なんの話が」 「わかりませんか?」 「う~ん」 翔に関係する話 いや、翔を利用するとすれば……… 「生徒会か」 「正解です」 「成る程ね」 「しばらく様子を見ましょう」 「わかった」 翔なら彼の本性を見抜けるに違いない 出来ればややこしい方向だけは避けたいな
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