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あの後、何人かの女中さんに同じ対応をされたけど、全員さっきの方法で断った。
笑顔でお断りと笑顔でお願いは最強の技だって、晋作が教えてくれたんだっけ。
そんなことを考えていると、台所らしき場所に着いた。
中には数人の女中さんと、料理の後片付けをしている源さん(だろう)人物がいる。
白髪の混じっている髪、女中さんと話している際の笑顔から、本当に優しい人なのだろうというのが見て取れる。
僕が入口からひょこりと顔を出すと、それに気付いた源さん(仮)が話し掛けてくれた。
「おや、君は麻宮くんだね
食べ終わったのかい?」
源さんは優しげな顔で、
皆より少し年が上の人だった。
源さんの問いに"あ、はい"と返すと、源さんは微笑んで器を受けとってくれる。
「味はどうだったかな?
今日の焼き魚は私が焼いたんだよ」
「とても美味しかったです
とくに焼き魚は取り合いになるほど美味でしたよ」
それを聞いて源さんは"それはよかった"と微笑んだ。
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