久々のごはん

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「あぁ、そういえば名前を言ってなかったねぇ 井上 源三郎だよ 気軽に源さんと呼んでくれればいいからね」 源さん(仮)は源さん(本人)に昇格しました。 皆が言っていた、山南さんとは違う温厚さっていうのが分かった気がする。 山南さんは大人しい感じで、源さんはどこか、やんちゃな感じ……かな? 「麻宮 紫音です」 「うん、あの沖田くんを負かしたほどの腕前だって隊士の皆が噂していたよ」 源さんは次々と運ばれて来る器を、慣れた手つきで洗いながら僕に言葉を返す。 僕は少し戸惑いながら答えた。 「引き分けですよ 僕なんてまだまだ弱いです」 「いやいや私なら、引き分けにもならないからねぇ 麻宮くんの強さが羨ましいよ」 そう言って笑う源さんの笑顔には、どことなく無邪気さが残っていて、他愛もない話をしていると、いつのまにか僕も源さんの手伝いをしていた。 源さんの不思議な気に当てられたのか、僕はこれからも進んで手伝いをしにきそうだ……。  
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