鬼ごっこ

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総司の意識が隊士にいっている間に 僕は、できるだけ音をたてないように 全力疾走した。 後ろから総司のものだろう足音が聞こえ 思い出したのは、いつか藤堂君が 「総司は、僕ら試衛官組の中で 一番足が速いんだよ」 って教えてくれたこと。 うん、本気で逃げよう。 それから僕は、なるべく複雑な道筋を選び くねくねと走り回ったが 後ろをついて来る総司との距離は相変わらずで 僕もそろそろ息がキレてきた頃。 適当に走ってたら縁側に出た。 暖かい日が当たっていて 何故かそこには新八と左之がいる。 「お、麻宮じゃねぇか。 そんなに急いでどうしたんだ?」 陽気な左之の声を無視し 変わらず走り込むと 何やらデカブツ(左之)を蹴飛ばした気がする。 …が、まぁ気にしない。 そして総司の位置を確認する為 耳を澄ますと…足音が、聞こえない。 僕が"もしかしてっ!"と思った瞬間 前の曲がり角から総司が飛び出して来る。 先回りをされたらしい。 「ゲッ」 と声を漏らし、取り合えず横にあった障子を 力一杯開けると そこはいつも食事をしている大広間だった。 そういえばそうだったなどと思い出しながら 僕は大広間の反対側の障子へ 突き走る。 大広間は僕が入った方と反対側の方とで 出入口が二場所あり 後ろから追って来る総司を確認して 反対側の障子を開けた。 総司が 「紫音さーん、逃げないで下さいよー! 試合しましょー!!」 と叫んでいるが冗談じゃない。 今捕まったら、僕が本気を出すまで 解放してくれないだろう。 そんなの絶ッッ対に嫌だ!!  
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