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ある日ティマに言われた。
『晃。もう少しで逢えなくなっちゃうの…』
彼女の普段のおっとり顔が不安で陰る。
『お父様に帰って来いって、言われたの…』
翡翠色の眼から涙が溢れる。
帰るということは、二度と俺たちは逢えなくなるということだ。
それは俺も嫌だ。
「いったん帰れ。…俺も後を追う」
ティマが驚いた顔をする。
「お前の父ちゃんに認められればいい話だ!」
そしてティマは、エデンへ繋がるカギを残して、俺の前からきえた。
エデンへ行くには、いまから1週間待たなければならない。
その時を静かに、待っていた。
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