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――ギュッ。
ポケットの中に手を突っ込んでちゃんとあるのか確認する。
指先に触れるのは手のひらにおさまってしまう小さい小さい箱。
それは今日の為にジュンスに用意したプレゼントだった。
――…気に入ってくれますように。
そう願いを込めて、長く息をはけば白く形を変えて空に吸い込まれていった。
同じように待ち合わせをしている人たちが相手を見つけて街に消えていく。
ちょうど10組目が消えていく向こう側から、見慣れた姿が近づいてきた。
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