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「ハァ…ハァ…ハァ…。」
しつこい野次馬を巻いて、街中を迷路のように駆け走って、ようやく公園のベンチに腰をおろした。
「ユ…チョン…。も…走れ…ない。」
「……俺も。」
隣でぐったりしているジュンスも同じようで、その額にはうっすらと汗が光っていた。
「ジュンス、おいで。」
「ん?わっ?」
風邪をひかないように、タオルで拭ってやると、安心しきってされるがままで。
―そんなに安心してると、襲うよ?
内心、純粋すぎる恋人にため息をつきながらも、沸き上がる感情を無視して手を動かす。
「はい、終わり。」
「あ、ありがとう。」
―あれ?
タオルの下から覗いたジュンスは耳まで赤くさせていた。
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