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近くでみた教会は、遠くで見るよりもどっしりとした存在感があり、何より白い大理石の壁や柱が月に反射して綺麗だった。
「開いてるかな。」
子供のように笑ってジュンスが重厚な造りをしたドアに手をかける。
「開いてるわけ…」
ないじゃん。と言ったのとドアが開いたのは同時だった。
「…開いちゃったよ。ユチョン。」
「…だね。」
2人で顔を見合わせて、目が飛び出すくらい驚いていたけど、
「入っちゃえ。」
「ちょ……―ジュンス!?」
ニッと笑うと、何のためらいもなく教会へと入っていった。
「…わぁ―…。」
その美しさに圧倒されて2人して足が止まってしまった。
ステンドグラスから零れる月光
その光によってカラフルに色づいた大理石の白い床
その中でも一際輝いて目が離せなかったのは
中央に
凛と佇むマリア像だった。
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