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「ちょ…ユチョン?!―やっ」
「しー…マリア様が見てるよ?」
「…ッ。」
耳元で囁くように言えば、おとなしくなってしまう腕の中。
「笑ってごめんなさい。」
しっとりとした肌に顔を埋めれば「…いいよ。」と口を尖らしながらもお許しの言葉を頂いた。
――シチュエーション的には今だよねぇ…。
そんな計算をしてしまう自分はひどく滑稽に思えるけど。
早くなっていく鼓動が君にバレないか心配になる。
「ジュンス…手ぇだして。」
「うぇ?」
「ほら、左手。」
ポケットの中で箱を開いて中身を取り出す。
後ろから抱き締めたままジュンスの手をとって、細い指にはめたのは、
今日のために作った指輪。
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