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「早々には直りませんよ。ヒョンってずっと呼んできたんですし。」
「…敬語も。」
「……呼んでたんだし?」
もう何度も繰り返した会話にため息をつく。
敬語もヒョンって呼ばれるのも恋人じゃないみたいじゃん。
僕は君の特別だって思いたいんだ。
「そんな顔しないでく…よ。ジュンス。」
「ブッ―」
吹き出してしまった僕に君は、機嫌を損ねてしまったようで。
乗り掛かっていた身体の重みが消える。
「人がせっかく意識して直そうとしてるのに。」
「チャミ?」
「笑うなら敬語でずっと話します。」
「やだっ。」
さっきとは反対に背を向けられてしまって
ずっと敬語なんてやだ。
冷たい恋人の背中に泣きそうになる。
「チャミィ―…。」
こっち向いてよ。
我慢の限界を越えた僕の瞳からは大量の涙が溢れた。
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