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『どんな時でも誰かを想う。』
その意味の大切さをこんなにわかる日が来るなんて思わなかった。
「チャミはわかってたのかな…。」
…―こうなることを。
あの夏からもう半年以上が過ぎようとしている。
出会ってからずっと一緒に暮らしていた共同生活が終わり
2人と3人で離ればなれになった。
当然
チャミとも連絡がとれる術などなくて。
ただ毎日
写真を眺める日が続いている。
「チャミ。」
『忘れないで。』
写真の中の君に笑いかければ、動かないはずのチャミが微笑み返してくれるようだった。
「…忘れないよ。」
忘れてなんかやるもんか。
絶対に
同じ道を一緒に歩む日が必ず来るから。
そのときは
たくさんの愛してるを君に伝えたい。
沈んだ夕日が夜をつれてきて、辺りが段々と暗くなっても心はさっきのように重くはなかった。
―…僕らは繋がってる。
「愛してるよ、チャミ。」
世界でたった1人の特別な人だから。
僕は
どんな時でも
君を想うよ。
end
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