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一向に離そうとしないユノに、もぞもぞと体を駆使して抜け出そうと試みる。
「……放して。」
「もう少し。」
「遅れます。」
「大丈夫。」
―これでもリーダーなの。
こう言えばああいう押し問答に、わざとらしく溜め息をつけば、クスクスと笑う声が聞こえた。
「…なに。」
「いや、元気だなあと思って。」
ユノの言葉に「?」が浮かぶ。
「……ッ。」
しかし、次のユノの行動で一気にその意味を理解した。
「ユ…ノ。」
包むように背中にまわされていた掌が滑るように撫で始めた。
睨むように見上げても効果はなくて。
相変わらず掌を滑らせながら「ん?」と小さく笑った。
「昨日、あんなに鳴かせたのに…もう平気か?」
それは背中からだんだんと降りていき、太股に達して明らかに意味を込めて動いていた。
「…ん…ちょっ…やだ。」
そこに全神経が集中したように熱くなっていく。
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