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さっきまで泣いていたはずだった―…
今僕の目の前で大きく肩を揺らして笑う恋人。
―…これは…もしかして。
もしかしなくても…。
「ユノ…もしかして嘘泣きですか……?」
―訳がわからない。
ユノがこんなことをする理由も。
「涙の正体はこれ。」
後ろ手からヒラヒラと目の前にかざされた正体は目薬で。
「な…―どういうことですかッ?」
驚愕とはこんなことだろう。
叫び出したい衝動を抑えて目薬をひっつかむ。
「チャミが出ていった後ジェジュンに言われてさ。」
―ジェジュンヒョン?
「素直じゃない可愛い恋人の本音を聞く効果的な手段。」
「効果的だったな。」と嬉しそうに目を細めるあなたに比例して
僕の熱は上がっていく。
「……さっきの僕の言葉、取り消してください。」
紅く染まっているだろう顔を見られたくなくてまた背を向ければ
「嫌だね。」とユノの声が後ろから追いかけてきた。
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