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「だから、放して。」そう言えばいつものように腕は緩まる。
ユチョンの腕が離れると同時に生まれる安堵と消失感。
「ごめん。」
振り返ると
今にも泣きそうなユチョンの顔。
謝るのは僕の方なのに。
謝るのはユチョンを利用してる僕の方なんだ。
『ヒョンがユノヒョンを好きなのは知ってる。』
ユチョンから告白されたのもこんな夕焼けの空だった。
『そういうヒョンを俺は好きになったんだ。』
真っ直ぐ貫くような瞳に吸い込まれそうになったのを覚えてる。
『俺を利用して。』
その頃にはユノと連絡すらとれない日々が続いていたから。
僕の精神状態は壊滅的だった。
だから
僕に悪魔が舞い降りたんだ。
『ユノヒョンだと思って。 』
抱きしめられた腕の感触。
『俺に抱かれて。』
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