804人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうかしただって!?」
ほら、ちょっとくらい焦ってください。
「耳もとで大きな声出さないでくださいよ。」
左側の耳を擦りながら「煩いな。」と呟けば、更に焦った声が続いた。
「だって…これが静かにしてられるかよ。」
―…あ、出た。
「風呂も急いで入ったのに。」
―アヒル口。
気に入らないことがあったり、考える時のあなたの癖。
ぽってりとした唇を前につきだす仕草。
―なかなかかわいいんですよね。
お気に入りだとは言うつもりはないけれど。
心の中で密かに楽しんでいれば、それが表情に出ていたんだろう。
「ゔ―――…。」
ついには唸り声をあげて背中を向けてしまった。
「ユチョンヒョン?」
―ちょっと苛め過ぎましたかね。
もともとの流れから言えば誘ったのは僕の方でもあるし。
・・・・・
「…ユチョン。」
それは丸くなった肩に僕が手を置いた時だった。
最初のコメントを投稿しよう!