お決まり

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「どうかしただって!?」 ほら、ちょっとくらい焦ってください。 「耳もとで大きな声出さないでくださいよ。」 左側の耳を擦りながら「煩いな。」と呟けば、更に焦った声が続いた。 「だって…これが静かにしてられるかよ。」 ―…あ、出た。 「風呂も急いで入ったのに。」 ―アヒル口。 気に入らないことがあったり、考える時のあなたの癖。 ぽってりとした唇を前につきだす仕草。 ―なかなかかわいいんですよね。 お気に入りだとは言うつもりはないけれど。 心の中で密かに楽しんでいれば、それが表情に出ていたんだろう。 「ゔ―――…。」 ついには唸り声をあげて背中を向けてしまった。 「ユチョンヒョン?」 ―ちょっと苛め過ぎましたかね。 もともとの流れから言えば誘ったのは僕の方でもあるし。 ・・・・・ 「…ユチョン。」 それは丸くなった肩に僕が手を置いた時だった。
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