お決まり

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「…狡いじゃないですか。」 ゆっくりと体を反転させられて、オデコがつくほどの至近距離から見つめられる。 「だって、俺だもん。」 クスリと笑う顔にすらときめく僕はどうかしてる。 「ねぇ、答えは?」 毛布の中で手が触れた手が微かに震えてるのは気のせいじゃない。 「嫌?」 眉毛が下がる。 余裕なあなたが僕のことになると情けないくらい必死で。 「ねぇ、言って?」 でも、やっぱりこのパターンがお決まりなんですかね。 「チャミ。」 ―ほんとに僕は愛されてますね。 「そんなの、言わなくてもわかるでしょう?」 さっきの仕返しとばかりに口を曲げて笑ったら、予想通りにあひる口になった。 「ダメ。口で言って。」 恥ずかしいのを隠すように形だけ困ったように肩をすくめる。 まぁ 結局のところ 僕は貴方だけでいいんですから。
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