804人が本棚に入れています
本棚に追加
「…狡いじゃないですか。」
ゆっくりと体を反転させられて、オデコがつくほどの至近距離から見つめられる。
「だって、俺だもん。」
クスリと笑う顔にすらときめく僕はどうかしてる。
「ねぇ、答えは?」
毛布の中で手が触れた手が微かに震えてるのは気のせいじゃない。
「嫌?」
眉毛が下がる。
余裕なあなたが僕のことになると情けないくらい必死で。
「ねぇ、言って?」
でも、やっぱりこのパターンがお決まりなんですかね。
「チャミ。」
―ほんとに僕は愛されてますね。
「そんなの、言わなくてもわかるでしょう?」
さっきの仕返しとばかりに口を曲げて笑ったら、予想通りにあひる口になった。
「ダメ。口で言って。」
恥ずかしいのを隠すように形だけ困ったように肩をすくめる。
まぁ
結局のところ
僕は貴方だけでいいんですから。
最初のコメントを投稿しよう!