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「緊張すんなぁ~…。」
イルミネーションがキラキラと輝く空の下。
肌を突き刺すような寒さに肩をすくめて首に巻いたマフラーをきつく絞め直す。
2月14日
バレンタインデー
一般的には、恋人同士の愛のイベント。
そんな世間の流れに便乗して俺は忙しい合間を縫って、ようやっとジュンスとデートの約束を取り付けた。
―…ジュンス、遅えなぁ。
お揃い時計を見れば、まだ待ち合わせ時間を少し過ぎただけなのだけど。
―ほんと俺、好きなんだな。
焦る気持ちが落ち着かず、早く出すぎてしまった自分が可笑しくて1人でにやにや笑ってしまって、変な目で見られてしまった。
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